特集 ハイリスク胸部外科手術
特集「ハイリスク胸部外科手術」によせて
近藤 丘
1
,
小野 稔
1
1編集主幹
pp.723-724
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu73_723
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- 文献概要
国民の健康意識の向上や診断機器の向上を背景にした疾患の早期発見が,さまざまな疾患に対する早期外科的介入とその後の二度・三度の外科治療をも可能にしている.一方で,手術手技や術後管理の向上,そして手術機器の進歩などによる手術リスクの低減は,より難易度の高い手術やより高齢な患者の手術へと外科治療の適用を広げることに寄与している.これらが相まって,難易度の高い手術,合併疾患や複数回の外科手術など,よりリスクの高い患者,いわゆるハイリスク症例への外科治療の機会の拡大をもたらしている.そもそも胸部外科手術の多くは手術そのもののリスクが高いといえるが,これにさまざまな疾患や病態が合併する場合は,さらなるリスクに備えた手術適用の考え方や周術期管理の工夫が必要となり,不測の事態を極力避けるためにも胸部外科医として常に最新の情報を身につけておく必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020