連載 行ってきました! 海外留学 (第47回)
オーストラリア ウェストミード小児病院
鵜垣 伸也
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1自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児先天性心臓血管外科
pp.608-609
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu71_608
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筆者はエドモントン臨床留学後2014年8月~2017年3月の約2年半,小児心臓血管外科のトレーニング延長のため,オーストラリア,ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州,シドニー郊外のウェストミード小児病院に臨床留学した.ご存知のとおり,シドニーはオペラハウスやハーバーブリッジで有名な観光地であり,人口400万を超えるオーストラリア最大の商業都市である.都心からバスで30分ほどで,サーフィンと美しいビーチで有名なボンダイビーチやマンリービーチにいける本当に美しい都市である.シドニーには小児循環器病院として都心にあるシドニー小児病院と郊外のウェストミード小児病院があるが,軽症例以外はほとんどすべてウェストミード小児病院で治療が行われている.NSW州を中心に,海外ではニューカレドニア島などの南太平洋からの患者を担当しており,開心術数としては年間300例前後であるが年々症例は増えている.オーストラリアでは小児心移植施設はメルボルンのみにあるため,補助人工心臓(VAD)/心移植は行われていなかった.またオーストラリアのシステムはカナダのパブリックのみとは違い,プライベート・パブリックの患者がいる.隣にウェストミード成人病院があり,成人先天性・後天性手術を行っている.Modified one patch repair (Australian technique)で著名なDr.G.Nunnがいたときとはメンバーがかわっていて,Prof.Winlaw,Dr.NicholsonとDr.Orrのスタッフサージャンがいた.曜日によって術者がかわり,後の2人は大人の手術も行っていた(図1).
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