連載 各国の目標管理型健康政策・3
オーストラリアの健康政策
山上 孝司
1
1北陸予防医学協会
pp.826-831
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902617
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
オーストラリアは18世紀末にイギリスからの移民が入植し,以後ヨーロッパ,西南アジア,東アジアから移民が次々に流入するという歴史を持ち,先住民のアボリジニーを除けば歴史が新しい多民族国家である.また国内は六つの州と二つの準州に分かれ,内政はほとんど州政府が管轄する合衆国である.このような特徴により日本には見られない様々な健康に関する問題をかかえている反面,先例にとらわれない新しい考え,施策が健康に関する分野でも次々に実施される背景となっている.
オーストラリアは歴史が新しく多民族国家であるという点ではアメリカ合衆国と似ているが,健康政策に関してはそのターゲットを個人だけでなく個人を取り巻く環境にも多く当てるという点で,米国と異なっている.したがってWHOが1986年にオタワで宣言したヘルス・プロモーションの考え方がこの国ではかなり浸透してきているように思われる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.