特集 退院後を見据えたがん患者のスキンケア
がん患者にみられるそのほかの皮膚症状とスキンケア
がん自壊創
飛澤 貴子
1
Takako TOBISAWA
1
1秋田看護福祉大学看護福祉学部看護学科/がん看護専門看護師,皮膚・排泄ケア認定看護師
pp.608-611
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_608
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はじめに
自壊創とは,皮膚に2次性局所浸潤もしくは転移・再発したがんが,皮膚を破って体表面に現れた状態で,腫瘤が壊死・自壊して形成した創のことである.
筆者が外来で介入した自壊創がある乳がん患者は,家族の介護などなんらかの理由により受診が遅れ,乳房の形状変化,出血・滲出液・痛みを伴う身体的苦痛,また,臭気を伴うことにより自尊心の低下や周囲から孤立する社会的・精神的苦痛を伴い,生活の質(quality of life:QOL)が低下していた.入院中は看護師による処置が行われるが,退院後は患者家族が処置を継続することになる.そのため,入院中から患者と家族に処置方法を指導し,退院後は簡便な処置に変更することが大切である.

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