特集 高齢者機能評価(GA・CGA)を活かした高齢がん患者のケア
症例紹介 ~高齢者機能評価を活かしたチーム実践と症例~
症例③ 臨床心理士との協働
中村 千里
1
,
柳生 佳代子
2
Chisato NAKAMURA
1
,
Kayoko YAGYU
2
1聖マリアンナ医科大学病院 緩和ケアセンター
2聖マリアンナ医科大学病院精神療法センター
pp.53-59
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_53
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症例紹介
患者プロフィール
Aさん,80歳,女性.
経過
神経内分泌腫瘍のため20XX年より一次治療を行っていたが,肝転移が出現し,治療内容の変更が検討され精査目的のため入院していた.二次治療において,ルタテラ®(ペプチド受容体放射性核種療法)による核医学治療を検討する主治医から入院中のAさんと面談をしてほしいと高齢者機能評価チーム(以下,CGAチーム)へ依頼があった.主治医からは,これまで外来通院は必ず娘が同行し一次治療は問題なく経過していたが,既往に糖尿病があるためインスリンを使用しており,認知機能の低下によりインスリンを打ち間違え低血糖で入院した経緯があること,経口血糖降下薬の服薬アドヒアランスがわるいこともあり,ルタテラ®導入の安全性を検討したいとのことであった.
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