特集 ガイドラインを知ろう! ~成り立ちから,実践での活用まで~
ガイドラインの活用 ~さまざまな立場から~
診療ガイドラインの作成と活用における患者・家族参画の重要性とコミュニケーションの課題
長谷川 一男
1
Kazuo HASEGAWA
1
1特定非営利活動法人肺がん患者の会ワンステップ
pp.470-474
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_470
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はじめに
診療ガイドラインは主に医療者が治療方針決定のために作成しているため,その内容は専門的で難解であり,患者や家族が理解し,コミュニケーションツールとして活用することは容易ではない.このため,患者や家族が治療の決定プロセスにおいて,自身の希望や価値観を医療者に十分伝えるための具体的な手段や仕組みの構築が求められている.
肺がん領域において,こうした課題を改善する一つの取り組みとして,診療ガイドライン作成段階から患者や家族が参画し,その声を反映させる動きが広がっている.また,専門的な内容を患者向けにわかりやすく再構成した『患者さんと家族のための肺がんガイドブック』も作成され,患者や家族が自らの治療過程に主体的に関与するための重要なツールとなりつつある(筆者も作成委員として参画[図1].最新の2024年版はwebで公開中1)).
本稿では,患者の立場から,診療ガイドライン作成への患者参画の意義を解説し,さらに患者向けガイドブックの具体的な活用を通して,患者と医療者の間に生じるコミュニケーションの課題とその解決策について述べていく.また,看護師は患者に寄り添って,患者自身がもつ力を最大限に引き出し,支援する重要な役割を担っている.本稿では看護師を含む医療チームが診療ガイドラインをどのように活用し,患者とのコミュニケーションを深めていくかについても考察する.

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