連載 直腸がん患者への術前アプローチとストーマ・排便障害のリハビリテーション 【3】
回腸ストーマに関連する合併症と対策
松原 康美
1
1北里大学健康科学部/がん看護専門看護師,皮膚・排泄ケア認定看護師
pp.321-325
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango30_321
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はじめに
近年,直腸がんは,可能な限り肛門機能を温存する手術が普及している.代表的な術式として低位前方切除術(low anterior resection:LAR),超低位前方切除術(ultra low anterior resection:ULAR),括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection:ISR)がある.これらの手術では,腸管の吻合部が肛門に近いほど縫合不全が生じやすいことから,あらかじめ一時的な回腸ストーマが造設される.一時的な回腸ストーマは,数ヵ月でストーマ閉鎖術を行い,肛門からの排泄に戻るが,患者は数ヵ月間,ストーマを保有して生活することになる.
患者のケアにかかわる看護師は,ストーマに関連する合併症の知識をもち,早期発見と対策を講じる必要がある.本稿では,回腸ストーマの特徴,代表的な合併症について概説する.

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