- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今年のヨーロッパ泌尿器科学会は,4月16~20日までスペインのバルセロナで開催されました。4月16日からの開催ということで,私も含めて,ほとんどの出席予定の諸先生方は,4月15日木曜日に日本を出発予定だったと思います。御存知のように,この日の出発の直前に,ちょうどアイスランドで氷河に覆われたエイヤフィヤトラヨークト火山が噴火をしました。私はこの影響をまったく受けず,火山の噴火情報のこともまったく知らずに,4月15日夜にバルセロナに到着しました。その後,私の飛行機より1時間程度遅れて成田空港を出発した飛行機は,火山灰の影響でシベリアを旋回して,成田に逆戻りしたという情報が入りました。また,他の先生の中には,ヨーロッパのハブ空港までは到着しても,そこから身動きが取れなくなり,まったく関係のない国で滞在を余儀なくされ,学会にも参加できなかった先生もいらっしゃったようです。
4月16日は,ヨーロッパ泌尿器科学会とさまざまな国の泌尿器科学会とのジョイント・ミーティングが主に行われ,ヨーロッパ泌尿器科学会と日本泌尿器科学会のジョイント・ミーティングも同日午後から開催されました。残念なことに,火山噴火の影響で,このジョイント・ミーティングで御司会や御発表予定の日本の多くの諸先生方も出席できませんでした。テーマは,男性のLUTSの手術療法,過活動膀胱,泌尿器科癌における拡大骨盤リンパ節郭清術,前立腺生検,腎癌の分子標的薬によるネオ・アジュバント療法,腎癌case discussionでした。近年骨盤リンパ節郭清が見直されていますが,Dr. Heidenreichからは,膀胱癌において拡大郭清でより多くのリンパ節を摘除できた方が予後を改善するという報告など,興味深い内容が講演されました。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.