特集 骨転移患者への看護のモヤモヤ,すっきりさせましょう!
モヤモヤ解消! 看護の実際
骨転移への放射線治療を行う患者に,看護師はここまでできる!
菱沼 貴生
1
Takao HISHINUMA
1
1埼玉県立がんセンター 外来/がん放射線療法看護認定看護師
pp.517-521
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_517
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はじめに
骨転移のある患者を目の前にして,「どうしたらこの痛みを和らげることができるのだろう」「私たち看護師にできることは何だろう」と,読者の皆さまも日々悩まれているのではないだろうか.
骨転移は,がん罹患患者の10%程度に認められるとされている.また,がん疼痛は骨転移に起因するものが多く,症状緩和において骨転移への対応は重要な位置を占めている.
骨転移診療における放射線治療の役割は,①有痛性骨転移による痛みの緩和,②患者のQOL (quality of life)の維持・向上,③脊髄圧迫による麻痺の予防・改善がある.
とくに緩和的放射線治療は,保存的治療で,かつ比較的侵襲の少ない治療でもあり,全身状態が不良な患者でも放射線治療の適応となる.
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