連載 リハビリテーション医学研究のこれから
がん患者の周術期リハビリテーション医療とロコモティブシンドローム
堅山 佳美
1
,
濱田 全紀
1
,
千田 益生
1
1岡山大学病院総合リハビリテーション部
pp.1043-1044
発行日 2022年10月18日
Published Date 2022/10/18
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岡山大学病院では「快適で安全・安心な手術と周術期環境を多職種連携で効率的に提供する」ことを目的として,2008年に周術期管理センター(Perioperative Management Center:PERIO)を開設した(図1).手術が決まった外来の時点から手術に備えて多職種が一斉に動き出し,術後翌日からリハビリテーション治療を自動的に再開するシステムを採用している.PERIOを構成する職種は,医師,看護師,薬剤師,理学療法士,管理栄養士,臨床工学技士,歯科医,歯科衛生士,歯科技工士である1).
リハビリテーション医療も外来の時点から開始する.電子カルテ上に手術予定患者が登録され,外来時間に患者はリハビリテーション部を受診する.リハビリテーション科医が診察・説明を行い,実施計画書を作成し呼吸リハビリテーションを主として,起き上がり動作・立位・歩行練習など術後を想定した内容を処方する.肺機能や胸郭拡張差,体成分分析,歩行速度,握力,ロコモティブシンドローム(ロコモ)度テストなどの評価も行い,記録しておく.患者には手術に備えてエクササイズするように指導し,パンフレットを渡して説明する.入院時には,プレハビリテーションを行う.術後は術翌日からベッドサイドにおいて,多くの患者はまだICUにいるが,リハビリテーション治療を開始する.できるだけ早期に離床し,退院をめざす.さまざまな問題が生じることもあるが,PERIO看護師や麻酔科医,主治医と相談して対応している2).
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