増刊号 実践に活かすアドバンス・ケア・プランニング
第Ⅴ章 事例を通してACPを考える
病院(治療)から在宅へシームレスにACPが継続された事例
髙見 紀子
1
1北里大学病院看護部/家族支援専門看護師
pp.190-194
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_190
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事例
関さん(仮名).60歳代前半,女性.右乳がんstage Ⅳ.定年退職後.
既往歴:なし
家族構成:夫(60歳代後半)は定年退職後に再雇用で就労中.長女(20歳代後半)は2年前に結婚し,夫と第1子と3人暮らし.育児休暇中であり,関さん宅の近所に在住している.長男(20歳代前半)は大学院生で,4月より遠方で就職予定.実母は近くの施設に入所しており,近所に亡妹家族(亡妹の夫,姪,甥)が在住している.
経過・状況
X年頃より右乳房のしこりを自覚し,半年を過ぎたころより,右乳房のしこりが大きくなり乳房全体が赤くなっていることに気づき他院を受診した.精査のために当院に紹介受診となり,右乳がんと診断された.また,肺転移,骨盤骨転移,脳転移を認め,頭痛などの症状があるため,先行して全脳照射を行った.その途中,自壊創が悪化し,自宅でのケアがままならなくなったため,在宅支援体制の調整を依頼され,介入した.
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