特集 “便秘”最新の治療とアセスメント ~ケア向上のためのエッセンス~
便秘のアセスメント ~便秘を見逃さない~
宮川 瑞代
1
Mizuyo MIYAGAWA
1
1埼玉県立がんセンター看護部/がん看護専門看護師
pp.11-14
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_11
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はじめに
がん患者は,抗がん治療や病状の変化により,日々排便状況が変わり,便秘になりやすい.便秘が進行すると,便秘自体の苦痛だけでなく食欲低下や腹痛,悪心・嘔吐などの身体症状や活動性の低下を起こしやすくなる.食事摂取ができなくなると,体力や筋力低下によりPS (performance status)が低下し,抗がん治療の中止や中断に影響を及ぼすことさえある.身体的不調は,ストレスやせん妄などの精神症状を引き起こすこともある.加えて,「食べていないから便は出なくて当然」「排便の状況はよくわからない」など,便秘であることを認識していない患者も少なくない.たとえ便秘を自覚していても,医療者に便秘であることを伝えられていない場合も多い.便秘で患者のQOL (quality of life)を低下させないためにも,看護師は適切なアセスメントにより,便秘を見逃さないことが重要である.
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