特集 女性のがん ~治療とケアの最前線~
女性のがん特有のケア
女性がん患者の家族を支える
我妻 志保
1
WAGATSUMA Shiho
1
1昭和大学病院看護部/がん看護専門看護師,乳がん看護認定看護師
pp.594-596
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_594
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はじめに
時代の変化や価値観の多様化に伴い,女性が,社会や家庭において,娘,妻,母親,社会人などの多様な役割をはたすうえで悩んだり苦労することは多い1).まして,「家庭も,仕事も,子どもも」をバランスよく両立させることは容易なことではない.2020年に新たにがんと診断された人は101.2万人,そのうち42.9万人が女性である1).がん死亡数の部位内訳を年齢階級別にみると,40歳代の女性では乳がん,子宮がん,卵巣がんの死亡が約半分を占める2).生殖年齢や育児・介護の年齢にあたる年代の女性のがんの罹患は,仕事と治療の両立,子どもの行事参加への影響,友人との付き合いの変化,介護役割など,さまざまな困難がライフサイクルにおおいに影響を及ぼすといわれている1).
今回,子どもをもつ女性がん患者の家族支援や,病状が厳しくなった段階での子どもへの伝え方について事例を用いて紹介する.
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