特集 スペシャリストが伝えたい消化器の症状マネジメント
Ⅲ.患者さんからこう言われたら? ~消化器がんに伴う症状編~
熱があります ~胆管炎~
松本 千賀子
1
,
地引 素水
2
1元 千葉大学医学部附属病院看護部
2千葉大学医学部附属病院看護部
pp.518-521
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_518
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事例
70歳代,女性.膵頭部がんに対し外来でがん薬物療法中の患者.胆管浸潤があり,胆管ステントを留置している.腹部~背部を中心としたがん性疼痛に対しオピオイドが導入され,疼痛コントロールをしている.
今回,午前中にがん薬物療法目的で受診した際,血液検査にて炎症反応上昇・黄疸の増悪・肝機能値の異常を認めた.36℃台の平熱で自覚症状もないが,がん薬物療法は中止となり,そのまま精査・加療目的に緊急入院となった.患者は「自分ではなんにも感じないのに入院になってしまった」と話していたが,医療者より治療の必要性を説明され,絶食・輸液管理・抗菌薬投与が開始となった.その後,入院日の夕方に患者の家族より「本人が震えています」とナースコールがあり,看護師が訪室した.
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