リレーエッセイ “がん看護CNS”奮闘中! ~活動の場の開拓について考える~ 【3】
第3回 横断的な部署で活動の場を開拓する
先々を見通して今自分にできる最善を考えて動く
秦 千晴
1
Chiharu SHIN
1
1株式会社日立製作所 日立総合病院/がん看護専門看護師
pp.374-375
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango27_374
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自己紹介
当院は茨城県県北地域の医療の中心でもあり,地域がん診療拠点病院になります.私は現在,外来に所属し,診療の重要局面で患者さん・家族の支援を行いながら,緩和ケアチーム(PCT),緩和ケア病棟(PCU)と院内を横断的に活動しています.
私ががん看護専門看護師(OCNS)を志したきっかけは,自分の母にあります.母ががんになったことで看護師を志しましたが,大学2年のときに亡くなりました.母に何もしてあげられなかったことにずっと引っ掛かりをもちながら大学を卒業し,茨城県南部の地域がん診療連携拠点病院に入職しました.その後,結婚を機に当院に就職し,変わらずがん医療に携わってきましたが,同じ県内,規模も同じぐらいの病院であるにもかかわらず,地域によって緩和ケアに「差」があることを感じました.その「差」には文化的な要素も大きいことが当時はよくわかっていませんでしたが,いつか病院・地域の緩和ケアの質の向上に携わるためには,まずは自分自身の能力を高める必要があると考えていました.長女出産の育児休暇中,初めての育児に奮闘中ではありましたが,仕事をしているときに比べれば時間があり,「将来,子育ても仕事も充実させたいなら,今この時間を使うしかない」と思い,大学院へ進学しました.子育ても仕事もと思うと,その時そのときにできることは限られますが,だからこそ『先々を見通して今自分にできる最善を考えて動く』,これが私のCNSとしての信念にもつながっています.
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