2頁の知識
吃逆について
土肥 一郞
1
1東大物療内科
pp.40-41
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909852
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吃逆は,横隔膜の攣縮によつて起る異常呼吸の一種であるが,その際,横隔膜以外の呼吸関与筋(喉頭筋,顔面筋)も,これに伴つて攣縮を行う。横隔膜の間代性痙攣によつて急激な吸息が起ると同時に,声門が閉ぢるので,特有の音を出すわけである。
胸部,腹部のいろいろな場所からの求心性径路,上部頸髄の横隔膜神経中枢,この中枢から横隔膜に到る遠心性径路,この三つの部分の何処に刺激が加えられても吃逆は起り得る。また脳疾患時には,頸髄中枢より高位の部分からの衝撃が考えられるし,また,起源を求めることのむずかしいヒステリー性の吃逆等も稀ながら見られる。
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