増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
10 周術期
術後愁訴と合併症
吃逆
川島 正裕
1
1市立岸和田市民病院緩和ケア内科
pp.285-287
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205661
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疾患の概要
吃逆は,横隔膜の片側または両側の攣縮により,急激な吸気と声門閉鎖を伴う病的な呼吸反射である.前斜角筋,肋間筋,腹筋などの呼吸補助筋の収縮も同時にみられる.多くは一過性で消失するが,数時間から数日間持続すると会話,食事,睡眠などが妨げられ,体重減少や疲労,不安,うつ状態に至ることもある.持続性の吃逆は,圧倒的に男性に多い.
原因として,胃の膨満や胃内容の食道への逆流,脳腫瘍や脳血管障害,横隔膜や横隔神経への腫瘍の浸潤,尿毒症や低カルシウム血症,高血糖などの代謝障害,ストレスや興奮などの精神的因子,コルチコステロイドの静脈内投与,ベンゾジアゼピン系薬,オピオイドなどの薬剤などがある.
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