連載 がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【5】
外来がん薬物療法看護の検討と看護介入研究の意義
市川 智里
1
,
足利 幸乃
2
1国立がん研究センター東病院看護部/がん看護専門看護師
2元 日本看護協会神戸研修センター
pp.72-78
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_72
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はじめに
がん薬物療法の主要な場が外来に移行してから久しい.その外来では,患者数およびレジメンの種類の増加,薬物療法の個別化,患者の心理社会的支援の強化等への対応のため,多職種によるチーム医療が推進されている.その中で,がん薬物療法看護が何をどう検討し,プラクティスが向上しているのかが見えにくくなっているように感じる.加えて,看護は病院の共通財として機能することから,共通財ならではの見えにくさがあるように思う.
看護の見える化は大きな課題である.がん薬物療法の効果が臨床試験によって数値化され,新たな標準治療が開発されている一方,がん薬物療法看護のあり方や実施されている看護ケアが,看護研究によって検証され,見える化されることは少ない.本稿では,外来がん薬物療法看護のあり方がどのように規定され,検討されているか,とくに,検討における看護介入研究の意義について考えていきたい.
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