連載 知って安全! エビデンスに基づく抗がん薬の曝露対策と臨床実践 【2】
抗がん薬の曝露による生殖への影響とその対策
安井 久晃
1
,
濱田 麻美子
2
,
田中 年恵
3
Hisateru YASUI
1
,
Mamiko HAMADA
2
,
Toshie TANAKA
3
1神戸市立医療センター中央市民病院 腫瘍内科/がん薬物療法専門医
2神戸市立医療センター中央市民病院 看護部/がん看護専門看護師
3神戸市立医療センター中央市民病院 看護部/がん化学療法看護認定看護師
pp.551-555
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_551
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
がん病棟や外来化学療法部門に勤務する看護師や抗がん薬の調製にかかわる薬剤師など,がん薬物療法に携わる医療従事者は,低用量であっても,場合によっては数十年と長期にわたり多種類(数種類~10種類以上)の抗がん薬に曝露する可能性があり,生殖毒性や発がん性のリスクが高いと考えられている.『がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン2019年版』(以下,ガイドライン)では「HD(Hazardous drugs)の職業性曝露による生殖への影響に対して,HDの取り扱いを避けることが推奨されるか」というクリニカル・クエスチョン(CQ)を設定している1).本稿では,このCQを中心に,抗がん薬曝露による生殖への影響について解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021