MT Seminar―読んで、見て、深める臨床検査技師のための誌上講義
抗がん剤の曝露対策と検査上の注意点
関根 凜太郎
1
,
三宅 一德
2
1公益財団法人 がん研究会有明病院 臨床検査センター
2順天堂大学 医療科学部 臨床検査学科
pp.866-870
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt52080866
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要点
☑抗がん剤はhazardous drugs(HD)であり,曝露により医療従事者にも生物学的影響や健康への影響を生じうる.
☑抗がん剤は遺伝毒性を有する可能性があるため曝露限度は存在せず,可能な限り曝露をゼロに近づける必要がある.
☑HDへの曝露対策に関しては,① 作業者を危険から隔離する環境の整備,② 教育,③ 個人防護具(PPE)の適切な使用の順に有効性が高いとされている.
☑抗がん剤投与後の患者の血液,尿,便中には抗がん剤および代謝産物が存在する可能性があるため,検査中の曝露に注意する必要がある.
☑臨床検査部門でも抗がん剤曝露の危険性と対策について教育・研修を行うとともに,各施設に合った曝露対策を定め,施行していくことが肝要である.
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