特集 放射線療法 ~知ればケアが楽しくなる~
急性有害事象を知る
口腔粘膜炎
遠藤 貴子
1
Takako ENDO
1
1東都大学沼津ヒューマンケア学部看護学科,元静岡県立静岡がんセンター看護部/がん看護専門看護師
pp.501-504
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_501
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口腔粘膜炎は,照射部位に口腔が含まれる放射線療法を受ける頭頸部領域のがん患者にはほぼ100%生じるが,放射線の直接作用による有害事象であるため発生を予防することはむずかしい.口腔粘膜炎による強い痛みは患者のQOL (quality of life)を著しく低下させ,摂食障害により栄養状態の低下や脱水を引き起こす.低栄養状態に陥ると口腔粘膜炎はさらに増悪,回復も遷延し,全身の感染症を引き起こす原因にもなる.重症化すると治療の休止や化学療法の減量など治療効果の低下につながる.そのため重症化を予防することがケアの目標になる.今回は,事例を通して口腔粘膜炎の看護について述べる.
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