臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●小児の身体所見のとらえ方
XXI.口腔所見と消化器症状
1.口腔粘膜疹
加藤 英夫
1
1順大小児科
pp.954-955
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203698
- 有料閲覧
- 文献概要
紅斑様粘膜疹ないし小水疱
舌,歯肉,口腔の粘膜が全体として赤くなり(紅斑様),荒れていれば口内炎であり.口内炎は軽い時にはカタル性といい,重くなると潰瘍性,壊疽性という.点々と白い潰瘍があって痛みがある時はアフタ性口内炎である.痛みがあることは食欲を害するのでわかる.アフタ性口内炎は単純性ヘルペスウイルスherpes simplex virusでおこる.
口蓋垂の両側に小水疱が生じ,つぶれて浅い,やや痛い潰瘍を生ずるのは夏かぜのひとつであるヘルプアンギナであって,数株のcoxsackie virusAでおこる.同様にcoxsackie virus A 16でおこる手足口病hand-foot-mouth diseaseでは口蓋だけでなく,頬粘膜,舌,歯肉にも水疱を生じ,同時に手,足,大腿,臀部にも小さい紅斑あるいは水疱を生ずる.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.