連載 子宮頸がん 私自身,そして子どものことも考える ~HPVワクチンと子宮頸がん予防の正しい知識~ 【6】
ワクチン接種だけじゃダメ! ~検診も重要~
長坂 桂子
1
,
レニック ニコラス
2
Keiko NAGASAKA
1
,
Nicholas RENNICK
2
1NTT東日本関東病院看護部/母性看護専門看護師
2NTT東日本関東病院国際診療科・総合診療科/オーストラリア総合診療医(GP)
pp.257-260
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_257
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子宮頸がん撲滅のために
2018年5月,WHO事務局長は,「子宮頸がんの排除は,全世界的な公衆衛生上の問題である」と,世界に子宮頸がんの排除のための行動をよびかけた.描きたい未来は,2090年までの排除.今の学童期の子どもたちが,おじいさんやおばあさんになったとき,「昔は,子宮頸がんって病気があってね……」と昔話になっている世界である.そのころ,私たちは,この世にはいないかもしれないけれど,子宮頸がんで苦しむ女性がいなくなる,そんな未来をつくるために,今,なにをすればよいか? WHOでは,2030年までに達成したい目標を3つ挙げている1).一つ目は,9割の15歳女子がHPVワクチンを接種すること(一次予防),二つ目は7割の女性が,35歳と45歳のときに確実性の高い子宮頸がん検診を受けること(二次予防),3つ目は検診で異常を指摘された女性の9割が治療とケアを受けること.日本の現状は程遠い注1.
連載の第6回目は,その目標の二つ目,子宮頸がん検診について概観する.
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