特集 がん患者に寄り添うコミュニケーション ~事例で学ぶ患者とのかかわりかた~
Ⅱ.コミュニケーションの実際 ~事例編~
不眠① 不眠を訴え,いらだっていた食道がん骨転移患者
村田 涼子
1
1東京都済生会中央病院クリニカルクオリティセンター/精神看護専門看護師
pp.163-166
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango26_163
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❁ 事例紹介
Oさん,50代半ば,男性.
半年前に食道神経内分泌細胞がん(T4N3),腰椎転移と診断を受け,W病院(がん拠点病院)でEP療法と放射線療法を施行されていた.
また,放射線療法施行後から腰椎転移による腰椎病的骨折で痛くて起き上がれず,独居は困難とW病院で判断が下りたが,W病院が満床のため転院してきたかたであった.
転院後,疼痛コントロール目的に放射線療法が開始され,緩和ケアチームが介入するようになった.また,睡眠に関して緩和ケアチームからロゼレム®(ラメルテオン)8 mg 1錠夕食後とベルソムラ®(スボレキサント)15 mg 1錠寝る前が処方されていたが,「眠れない」との訴えがあった.そこで看護師は睡眠の状況を確認する目的で訪室した.
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