今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
精神科
不眠
新福 尚武
1
1成増厚生病院・精神科
pp.738-739
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222428
- 有料閲覧
- 文献概要
●概説
睡眠障害のうち睡眠時間の減少(睡眠不足)を主とするものを不眠症と呼ぶが,その限界,定義は必ずしも明確ではない.とくに主観的な不眠の訴えと客観的な睡眠のあり方との間にはかなりの不一致があるので,短時間の問診ではしばしば見誤ったり,見落としたりする.
出現頻度は正確には分からないが,成人人口では15%ぐらいから30%ぐらいにわたるようである.このうち医療を求めてくるものはその10%ぐらいで,残りの大部分は放置されて自然に消失したり,売薬や酒でごまかされたり,他の障害を引き起こし,あるいはさらにひどくなって医療を受けたりするようである.したがって受診者は不眠患者のうち何らかの理由でとくに医療を必要としたものだと考えなければならない.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.