連載 がん薬物療法看護のWhat’ Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【3】
免疫チェックポイント阻害薬を知って投与管理,患者支援を行う ~ペムブロリズマブを知ろう~
笹本 奈美
1
1川崎医科大学総合医療センター/がん化学療法看護認定看護師
pp.685-689
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_685
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はじめに
今回は,免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)の一つである,ペムブロリズマブについて解説する.
日本で悪性黒色腫に対して2014年7月にニボルマブが初めて製造販売承認されて以降,ICIは適応疾患の拡大や新しい薬剤の登場で,今では多くのがん腫で標準治療として使用されている.また,その治療方法は単剤使用のみならず,ほかの薬剤との併用療法もあり,臨床の場でがん薬物療法の投与管理に携わっている看護師は,ICIの特徴や副作用など十分な知識をもったうえで対応しなければならない.
ICIは従来の細胞障害性抗がん薬や分子標的治療薬と違い免疫に作用する薬剤であるため,免疫関連の有害事象(immune-related adverse events:irAE)が出現する.irAEの発現頻度は決して多くはないが,ときに重篤化するケースもあり,早期発見と迅速な対応がのぞまれる.
筆者は,腫瘍内科病棟で主に肺がん領域のがん薬物療法に携わっている.本稿では,肺がん領域におけるペムブロリズマブの投与管理や患者支援体制について,筆者の経験した事例を交えて紹介する.
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