特集 生活の視点で読み解く! 今日の緩和ケア ~患者になにが起こっているのか~
Ⅵ 見る・聞く(感じる)
患者さんの感覚に異常があるときにはなにが起こっているのか ~その原因と症状マネジメント~
石木 寛人
1
1国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
pp.489-494
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_489
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感覚は「五感(視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚)」と表現される.本稿ではこのうち,感覚器が頭部にあって脳神経の支配を受ける「視覚」,「聴覚」,「嗅覚」,「味覚」について解説する.進行がん患者の多くがこれらの感覚の異常を訴える.感覚の異常は感覚器,または接続する脳神経と脳のいずれかの異常が原因で起こる.したがって感覚の異常は「感覚器の異常」,「脳神経の異常」,「脳の異常」に分けると理解しやすい.そして,その中でも「感覚器の異常」は普段から患者の状態を注意深く観察し,適切なケアを提供することが症状の予測,予防,解決につながることがしばしばある.したがって,本稿では感覚の異常の原因として「感覚器の異常」とそれに対するケアを中心に述べる.
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