がん薬物療法の情報を集めてシェアする ～がん薬物療法の情報を集める方法～

はじめに

　今回は，がん薬物療法に関連した情報収集の方法を解説する．がん薬物療法は目まぐるしく変化しているため，常に自身で情報を得ていかなければ看護実践の糸口を見つけられない状況にある．近年は，この分野での書籍や雑誌，関係機関や学会からの情報提供，患者の体験コーナーを掲示したインターネット記事などを多く目にするようになってきた．ほしい情報を非常に簡便に得られる状況であるが，こうした情報の中にはエビデンスレベルの不明なものや個人的見解，十分に吟味されていない情報なども含まれているため，ある場面では参考になるが，ある場面では活用できないといったものも多く含まれている．得られるすべての情報が医療現場において正しいものではないことを知りつつ，日ごろから情報を鵜呑みにせず，自身でクリティーク（評価，検討，判断）しながら活用していく必要がある．

　本稿では，筆者が日ごろ活用している書籍や雑誌，公的機関からの情報，関連学会情報などを提示し，どの場面でどう活用できるのかを伝えることによって，皆さんと情報シェアしたいと考えている．繰り返しになるが，活用の是非については，自身で再度吟味していただきたいということを付け加えておきたい．