連載 がん化学療法におけるナーシング・プロブレム【96】
がん化学療法による認知障害 ~何がどこまでわかっているか~
足利 幸乃
1
1公益社団法人日本看護協会 神戸研修センター
pp.317-323
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_317
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近年,がんサバイバーの抱える問題として,認知機能の問題や障害に対する関心が高まっている.しかしながらがん化学療法による認知障害に関する文献は少ない.本稿の目的は,今まで取り上げられることが少なかったがん化学療法における認知障害について,関連する用語を解説し,がん化学療法による認知障害について,何がどこまでわかっているかの概観的な文献レビューを行うことである.
合わせて,シリーズの前回「がん薬物療法におけるPatient-Reported Outcomeの動向と看護への影響」1)で紹介できなかったPatient-Reported Outcomes version of the Common Terminology Criteria for Adverse Events日本語版(以下,PRO-CTCAETM日本語版)2)の認知関連項目に言及したい.なお,本稿では,chemotherapy-induced cognitive impairmentの日本語訳を「がん化学療法による認知障害」とし,関連用語を解説する.
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