特集 災害時のがん看護を考える ~被災地における経験からの提言~
がん薬物療法を受ける患者に災害が及ぼす影響 ~地震災害を中心に~
城向 富由子
1
Fuyuko JOKO
1
1公益社団法人日本看護協会神戸研修センター/がん化学療法看護認定看護師
pp.255-258
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_255
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がん薬物療法の目的には「治癒」「延命」「症状緩和」がある.がん薬物療法に携わる医療者は,患者とともに立案した治療計画に沿い,確実に,安全に,そして安楽に治療を完遂できるよう投与管理や患者指導などさまざまな取り組みを行っている.患者や家族もまた副作用を最小限にし,予定の治療が継続できるようにセルフマネジメントを行うことが求められている.
このような中,がん薬物療法の投与中もしくはその期間中に災害が発生した場合,今まで行ってきた管理方法や受療・療養環境が一変する.
本稿では,大規模な地震による災害を想定し,がん薬物療法看護の場面においてどのような影響があるか,その影響を最小限にするためにどのような対策が必要か,筆者の体験をふまえて述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019