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特集 痔瘻を極める―この1冊で痔瘻のすべてがわかる
II. 各論
8.痔瘻癌の診断と治療
Diagnosis and treatment of carcinoma with anal fistula
桑原 隆一
1
,
池内 浩基
1
R. Kuwahara
1
,
H. Ikeuchi
1
1兵庫医科大学炎症性腸疾患外科
キーワード:
痔瘻癌
,
肛門管癌
,
Crohn病
Keyword:
痔瘻癌
,
肛門管癌
,
Crohn病
pp.744-748
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka85_744
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痔瘻癌は肛門腺や瘻管内の上皮成分が慢性的な炎症刺激を受けることで発生すると考えられている.痔瘻癌は臨床的にも画像診断的にも早期診断が困難で,進行癌で発見されることも多く予後不良である.治療は手術による切除が原則で,基本術式として腹会陰式直腸切断術が行われるが,多臓器浸潤が明らかな症例では骨盤内臓全摘術が選択されることもある.予後の改善には早期発見が重要であり,臨床所見から痔瘻癌が疑われる場合は麻酔下で生検を繰り返し行うことが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023