Japanese
English
症例
大網小網裂孔網囊ヘルニアの1例
A case of greater and lesser transomental sac hernia
森﨑 善久
1
,
鈴木 昭一郎
1
,
長谷 和生
1
Y. Morisaki
1
,
S. Suzuki
1
,
K. Hase
1
1所沢明生病院外科
キーワード:
大網小網裂孔網囊ヘルニア
,
内ヘルニア
,
異常裂孔
Keyword:
大網小網裂孔網囊ヘルニア
,
内ヘルニア
,
異常裂孔
pp.304-310
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka85_304
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内ヘルニアは,腹腔内に存在する陥凹部や囊状部に臓器が陥入する腹膜窩ヘルニアと,腸間膜,大網や小網,子宮広間膜などの異常裂孔に陥入する異常裂孔ヘルニアに分類される1).内ヘルニアの発生頻度は本邦の腸閉塞手術例のうち0.5%,絞扼性腸閉塞の1.2%と報告されている2,3).さらに,高橋らの内ヘルニア本邦報告158例の集計では腸間膜裂孔ヘルニアがもっとも多く全体の48%を占め,次いで多いのが傍十二指腸窩ヘルニアであり,小網裂孔を原因とするものは3例を認めるのみであったと報告されている3).本例のように大網と小網の両方の異常裂孔ヘルニアはさらにまれな病態と考えられる.今回われわれは大網小網裂孔網囊ヘルニアの1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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