Japanese
English
実験的研究
シリコンチューブを用いた縫合不全動物モデルにおける狭窄抑止効果および腸管再生
Preventative effects of silicone tube to the intestinal stenosis and regeneration in anastomotic failure model
西澤 雄介
1
Y. Nishizawa
1
1埼玉県立がんセンター消化器外科
キーワード:
縫合不全
,
経肛門ドレーン
,
動物モデル
Keyword:
縫合不全
,
経肛門ドレーン
,
動物モデル
pp.167-172
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_167
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消化管手術においてもっとも重篤な合併症の一つは縫合不全である.腹膜炎の惹起によって短期的な致命症となりうるとともに,縫合部が狭窄したり盲端となって閉鎖したりすることで消化管の連続性を失えば,生活の質(QOL)の長期的な低下も懸念されることとなる.さらに,直腸癌手術においては再吻合が物理的に困難であることが,他部位の消化管縫合不全との違いである.このような問題に対しては,直腸癌手術時に一時的人工肛門造設が併施される.一時的人工肛門造設により縫合不全が回避されることはないが,腹膜炎への進展による短期的な致命的合併症の回避には寄与するとされる1~8).同じ目的で経肛門的チューブの有用性が報告されているが9~11),経肛門的チューブの留置はさらに長期的な合併症回避が期待される.縫合不全が生じた場合に経肛門的チューブを留置することで,腸管の物理的連続性が保持され,狭窄あるいは腸管閉鎖が長期的に予防されることを臨床的に経験する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021