Japanese
English
特集 大学病院では学べない外科臨床
I. 消化器外科
8.NOMI
Non-occlusive mesenteric ischemia
由茅 隆文
1
,
古賀 聡
1
,
武谷 憲二
1
,
藤中 良彦
1
,
萱島 寛人
1
,
皆川 亮介
1
,
梶山 潔
1
T. Yukaya
1
,
T. Koga
1
,
K. Taketani
1
,
Y. Fujinaka
1
,
H. Kayashima
1
,
R. Minagawa
1
,
K. Kajiyama
1
1飯塚病院外科
キーワード:
NOMI
,
非閉塞性腸間膜虚血
,
腸間膜虚血症
Keyword:
NOMI
,
非閉塞性腸間膜虚血
,
腸間膜虚血症
pp.437-440
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka82_437
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非閉塞性腸間膜虚血(non-occlusive mesenteric ischemia:NOMI)は,腸間膜の主幹血管に閉塞がないにもかかわらず,腸管虚血をきたす疾患である.病態の本質は腸間膜動脈の攣縮であると考えられ,急性腸間膜虚血症の10~30%を占めている.1958年のEndeによる最初の報告以降,致死率は70~90%と非常に予後不良な疾患とされていた1,2).本邦ではかつて認知度も低く報告も少なかったが,最近では学会でのまとまった報告も増え,徐々にその臨床像が明らかになってきた.近年の報告では若干の生存率向上がみられるものの,いまだに予後不良な疾患であることにかわりはない.NOMIは加齢や糖尿病,高血圧,動脈硬化症が関係しており,これからの高齢化社会では日常診療で遭遇する機会も増えると考えられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2020