Japanese
English
特集 消化器疾患に対する機能温存・再建手術
I. 上部消化管領域
10. 胃全摘におけるHis角・pseudo-fornix形成パウチ間置術
Pouch interposition with hisoid angle and pseudo-fornix after total gastrectomy
池田 正視
1
,
吉安 俊介
1
,
松本 涼子
1
,
山形 邦嘉
2
,
岡田 啓二
2
,
上田 哲郎
3
M. Ikeda
1
,
S. Yoshiyasu
1
,
R. Matsumoto
1
,
K. Yamagata
2
,
K. Okada
2
,
T. Ueda
3
1佐久市立国保浅間総合病院外科
2生麦病院外科
3ゆりのきクリニック
キーワード:
パウチ
,
生理的再建
,
QOL
Keyword:
パウチ
,
生理的再建
,
QOL
pp.444-450
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_444
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胃は食物が通過するだけの管腔ではなく,食物をいったん貯留し徐々に十二指腸へ排出するといった働きなどさまざまな役割を担っているため,胃全摘後は重度の胃切除後障害が散見される.1世紀以上前から施行されているRoux-en Y再建法は安全で簡便な再建法ではあるが,さまざまな胃切後障害が問題となり術後生活の質(QOL)を著しく低下させることが報告され,実際に胃切除後障害で苦しむ症例に遭遇することもまれではない.われわれが施行している胃全摘後His角・pseudo-fornix形成パウチ間置術1~4)は,空腸によって生来の胃に限りなく近く再現することにより機能を再建し,胃切除後障害を回避し術後QOLの向上を目的とする再建法である(図1).胃全摘後に長期生存が期待できる現代において,胃切除後障害発生に大きく影響する再建法の選択は,術後の長期QOLを向上させ社会生活上の不満を改善するという面からも,重大な問題である.
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