電気メスの特性と正しい安全な使用法

1920年代に電気メスが臨床使用されてから現在にいたるまで，電気メスなくしては手術ができない時代になっている．電気メスを使用したことがない外科医はいないといっても過言ではない．しかし，残念ながら電気メスを系統的に学ぶ機会はほとんどないのが現状である．最近の電気メスはコンピュータ制御で放電を制御できるようになり，従来の切開と凝固の概念は崩れてきているにもかかわらず，依然，凝固モードの青いボタンのみを使用し，火花を飛ばしながら手術をする外科医が後をたたない．電気メスは驚くほど進化して高性能になってきているが，電気メスによる事故が少なくないのも事実である．この短い章をきっかけに，自分の使用する武器をもっとよく知るようになれば幸いである．