外科医のための臨床MEの知識・5
電気メスの安全使用—その原理から事故対策まで
小野 哲章
1
,
尾本 良三
2
1三井記念病院MEサービス部
2埼玉医科大学第1外科
pp.1431-1435
発行日 1981年9月20日
Published Date 1981/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207793
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はじめに
今世紀初頭,外科医H.Cushingが電気工学者W.T.Bovieの協力のもとに,電気メス(正式名称は電気手術器:Electro-Surgical Unit)を発明し,初めて脳外科手術に使用して以来,半世紀以上を経た今日,現代外科手術はこれなくしては語れないほど普及している.
これは,電気メスが次のような数々の利点を備えているからにほかならない.
①生体組織を出血を抑えつつ切開することができる.
②出血や生体組織を凝固することができる.
③切開・凝固をスイッチ1つで切り換えられる.
④生体組織の壊死層が比較的薄く,治癒性が高い.
⑤比較的熟練を要さずに取扱うことができ,かつ特別の設備も必要としない.
⑥装置の構造が単純で廉価である.
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