Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅰ.診断,評価
3.ウェアラブルデバイスを用いた評価
スマートウォッチを用いた振り子運動の定量的解析とその可能性
Possibility of quantitative motion analysis with a smartwatch-as an example of the pendulum exercise
安井 謙二
1
,
堀瀬 友貴
2
,
内山 英昭
3
,
正宗 賢
2
,
岡崎 賢
1
K. Yasui
1
,
Y. Horise
2
,
H. Uchiyama
3
,
K. Masamune
2
,
K. Okazaki
1
1東京女子医科大学整形外科
2東京女子医科大学先端生命医科学研究所
3九州大学附属図書館
1Dept. of Orthop. Surg., Tokyo Women’s Medical University, Tokyo
キーワード:
smartwatch
,
pendulum exercise
,
quantitative analysis
Keyword:
smartwatch
,
pendulum exercise
,
quantitative analysis
pp.70-72
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_70
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は じ め に
振り子運動はCodmanのstooping exercise1)を応用する方法として知られる(図1).自然な前傾姿勢で患側上肢は下垂させたまま体幹と下肢を前後,左右に回旋させると,患肢は自然と振り子様に動かされるため,肩峰下への負荷を避けながら肩関節周囲の軟部組織へのストレッチ効果を生むと考えられる.すなわち肩関節に痛みと筋緊張を生じるむやみな運動は慎まねばならない2).
しかし,振り子運動の正確性の判断は各自の主観や経験に左右され,また著名かつ手軽であることから安易に紹介され,本来の原理からはずれた感覚的,主観的,恣意的な努力性の運動模倣も散見される.
そこで,一般外来現場で行われる振り子運動の指導方法で,実際に振り子運動が実践できているか否かを定量的に解析するため,動体の位置と姿勢の速度変化を計測可能な慣性センサ(図2)の内蔵されたスマートウォッチ(図3)を利用した簡易な運動計測法を開発し,振り子運動と力学上の振り子の原理との差異解析を行った.
© Nankodo Co., Ltd., 2019