Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅱ.手術シミュレーション,手術教育
バーチャルリアリティシミュレータによる膝関節鏡手術手技トレーニング
Surgical training using a virtual reality simulator of knee arthroscopy
忽那 辰彦
1
,
日野 和典
1
,
清松 悠
1
,
渡森 一光
1
,
三浦 裕正
1
T. Kutsuna
1
,
K. Hino
1
,
H. Kiyomatsu
1
,
K. Watamori
1
,
H. Miura
1
1愛媛大学整形外科
1Dept. of Bone and Joint Surgery, Graduate School of Medicine, Ehime University, Toon
キーワード:
surgical training
,
simulator
,
virtual reality
,
arthroscopy
Keyword:
surgical training
,
simulator
,
virtual reality
,
arthroscopy
pp.145-148
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_145
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は じ め に
整形外科領域における医療技術の進歩はめざましく,常にわれわれは知識を深め技術を磨き続ける必要がある.これまでの手術教育は,解剖や手術器具などの知識を学び,手術見学や助手を通して基本的手技を習得したのち,術者として手術経験を積み重ね徐々に進歩していく,経験に基づく手法で進められてきた.ある程度の経験を有する術者が手技の精度を深めるには現在でも重要なプロセスであるが,手術経験の少ない術者が未熟な手技で試行錯誤的に手術にのぞめば,術中,術後合併症など医療事故の発生も危惧される1).特に内視鏡手術は,二次元モニタからの情報で三次元的な立体構築を予測して手術を進める必要があり,手術見学や助手を繰り返すだけでは技術の向上がむずかしい領域で,手術未経験者による基本手技の習得には手術室外での手術トレーニングが推奨されている2).近年,カダバー,骨モデル,プラスチックモデル,動物モデルやバーチャルリアリティ手術シミュレータによる手術室外での手術トレーニングが注目され,手術経験の少ない外科医に対する手術トレーニングとして多くの領域でその有用性が認識されている3).
われわれは,バーチャルリアリティ膝関節鏡手術シミュレータ(以下,VRシミュレータ)を使用し,医学生,研修医に対して手術トレーニングを実施している.本稿では,VRシミュレータによる手術トレーニングの紹介と,トレーニング後実施したアンケート調査結果を報告する.
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