Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅱ.部位別各論
7.足・足関節
バレエダンサーの三角骨傷害
Posterior ankle impingement syndrome due to os trigonum in ballet dancers
平石 英一
1
,
池澤 裕子
1
,
宇佐見 則夫
2
E. Hiraishi
1
,
H. Ikezawa
1
,
N. Usami
2
1ライフ・エクステンション研究所永寿総合病院整形外科
2うさみ整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Eiju General Hospital, Tokyo
キーワード:
posterior ankle impingement syndrome
,
os trigonum
,
ballet dancer
,
pathology
,
treatment
Keyword:
posterior ankle impingement syndrome
,
os trigonum
,
ballet dancer
,
pathology
,
treatment
pp.224-230
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_224
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は じ め に
三角骨は距骨の二次骨化中心として距骨後方に発生し,骨の成熟に従い距骨体部と癒合し後外側結節となるものが多いが,そのまま骨性に癒合せず足関節単純X線側面像で三角形を呈するものをいう.発生頻度は最大で約13%1),両側例はそのうち約50%とされている.元来無症状であるが,捻挫などの外傷を契機として2),あるいは,バレエ3),サッカー4)など足関節の底屈の繰り返しによる使い過ぎでしばしば疼痛の原因となる2~4).近年では,足関節の底屈強制で足関節後方に疼痛を惹起する病態を足関節後方インピンジメント症候群(posterior ankle impingement syndrome:PAIS)と総称し議論がなされているが2~7),三角骨による傷害がもっとも多い2~5).
本稿では,手術例を中心にX線やMRIなどの画像所見と手術所見を対比し,一般に三角骨傷害として疼痛を惹起する骨性インピンジメントの病態について検討し,術後疼痛の残存や可動域(ROM)制限などの成績不良例の要因にも考察を加えた.
© Nankodo Co., Ltd., 2018