特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
高齢者の診療に焦点を合わせた医療、デバイス、教育 急性期病院整形外科における在院死亡 整形外科医は超高齢社会にどのように対応すべきか
井上 三四郎
1
1国立病院機構福岡東医療センター 整形外科
キーワード:
医師の役割
,
死因
,
整形外科
,
入院患者
,
入院期間
,
院内死亡率
,
後向き研究
,
年齢分布
,
急性期病院
,
高齢化社会
,
整形外科医
,
古賀市
Keyword:
Orthopedic Surgeons
,
Cause of Death
,
Length of Stay
,
Inpatients
,
Physician's Role
,
Retrospective Studies
,
Age Distribution
,
Hospital Mortality
,
Orthopedic Procedures
pp.176-180
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088670
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2013年4月~2016年3月に急性期病院整形外科に入院した延べ2002名(男923例、女1079例)を対象に在院死亡例を調査した。在院死亡は16例(0.79%)であり、男8例、女8例、75歳以上が14例(87.5%)であった。入院時診断名は外傷が11例を占め、そのうち低エネルギー外傷は10例であった。全例が悪性腫瘍・心不全・高血圧などのなんらかの既往歴を有し、手術を6例、保存的治療を10例に行った。死亡診断は、呼吸器疾患9例、消化器疾患、循環器疾患が各2例、肝疾患、外傷死、癌死が各1例であり、8例は整形外科のまま死亡退院した。在院日数は平均37.5日であり、術後1週間以内の死亡は1例のみであった。在院死亡患者の典型像は、高齢者が低エネルギー外傷で整形外科へ入院した後に、肺炎などの内科的疾患で死亡するというパターンであった。
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