特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
脊椎の変性疾患に対する高齢者治療 胸腰仙椎変性疾患 変形性腰椎症・腰部脊柱管狭窄症 頸椎と腰椎骨盤部の両方にアライメント異常をもつ変性疾患の治療
大江 慎
1
,
戸川 大輔
,
長谷川 智彦
,
大和 雄
,
吉田 剛
,
坂野 友啓
,
有馬 秀幸
,
安田 達也
,
松山 幸弘
1浜松医科大学 長寿運動器疾患教育研究講座
キーワード:
X線診断
,
頸椎
,
骨盤
,
整形外科固定具
,
性因子
,
脊柱変形
,
頭蓋骨
,
有病率
,
腰椎
,
骨アライメント異常
,
年齢因子
,
東栄町
Keyword:
Age Factors
,
Cervical Vertebrae
,
Lumbar Vertebrae
,
Orthopedic Fixation Devices
,
Radiography
,
Pelvis
,
Spinal Curvatures
,
Sex Factors
,
Skull
,
Prevalence
,
Bone Malalignment
pp.111-114
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088656
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2016年の住民健診で立位単純全脊椎X線像を評価した489例(男184例、女305例、平均年齢74.2歳)を対象に、成人脊椎変形(ASD)と頸椎アライメント異常(CD)の有病率を調査した。ASD(-)CD(-)は169例(35%)、ASD(+)CD(-)は242例(49%)、ASD(-)CD(+)は25例(5%)、ASD(+)CD(+)は53例(11%)であった。ASD(-)CD(-)は75歳未満では125例(55%)であったが75歳以上では44例(17%)であった。一方、ASD(+)CD(+)は75歳未満では14例(6%)であったが75歳以上では39例(15%)であり、75歳以上は有意に有病率が高かった。ASD(-)CD(-)は75歳未満では男23%、女13%で、両方アライメント異常を持つ可能性は男性で有意に低く、ASD(+)CD(-)は75以上・75歳未満ともに有病率は女性が有意に高かった。両アライメント異常を合併した場合、どちらの治療を優先するかは保存的治療効果により判断可能であると考えられた。
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