変形性膝関節症の診断と治療
保存的治療 理学療法 装具療法 変形性膝関節症に対する膝装具療法 膝関節痛・歩行バイオメカニクス・歩行能力に与える効果に関する臨床介入研究
飯島 弘貴
1
,
井所 拓哉
,
青山 朋樹
,
松田 秀一
1京都大学 大学院人間健康科学系専攻理学療法学
キーワード:
生体力学的現象
,
患者コンプライアンス
,
膝関節
,
疼痛測定
,
歩行
,
関節痛
,
変形性膝関節症
,
下肢装具
,
足底板
,
視覚アナログ尺度
,
文献研究
,
速度
Keyword:
Biomechanical Phenomena
,
Gait
,
Knee Joint
,
Pain Measurement
,
Patient Compliance
,
Arthralgia
,
Osteoarthritis, Knee
,
Literature Based Discovery
,
Visual Analog Scale
pp.115-120
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2015264377
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変形性膝関節症に対する膝装具療法において膝関節痛・歩行バイオメカニクス・歩行能力に与える効果について検討した。4つのデータベースを使用して論文検索を行った。2週~24ヵ月の硬性膝装具の装着により、膝関節痛の軽減効果を示した報告が多く、疼痛スコア改善率は20~64%であった。膝サポーターを含む軟性膝装具は、膝関節痛を軽減する効果を期待できるが、VASあるいはWOMAC疼痛スコアの改善率は20%に満たず、硬性膝装具よりもその効果は劣っていた。硬性膝装具が歩行バイオメカニクスに与える影響を検討した報告は、膝関節内反角度、EKAMの変化などの前額面像上の変化に着目したものが大半を占めた。硬性膝装具が歩行能力に与える効果は、主観的な日常生活での歩行能力の改善度と評価尺度に基づいた歩行能力の改善度の間に乖離がみられた。硬性膝装具処方後のコンプライアンスは41~100%、軟性膝装具では78~96%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015