整形外科の手術手技-私はこうしている
下肢 股関節 内側を2mm薄くしたセメント固定型ソケットを用いた人工股関節全置換術
丸山 正昭
1
,
若林 真司
,
太田 浩史
,
中曽根 潤
1長野県厚生農業協同組合連合会篠ノ井総合病院 整形外科
キーワード:
股関節
,
股関節置換術
,
ソケット(人工器官と補綴物)
Keyword:
Hip Joint
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.71-75
発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2015040687
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内側を2mm薄くしたセメント固定型ソケットを用いた人工股関節全置換術(THA)について検討した。亜脱臼性股関節に対して初回THAを施行し、5年以上経過観察した308例を対象とし、FLソケット46例、FL-Rソケット262例であった。術後最終経過観察時のJOAスコアは、FLソケット群では39.3→93.4点、FL-Rソケット群では39.2→94.4点と有意に改善したが、両群間で有意差はなかった。術後の脱臼率は、FLソケット群2.2%、FL-Rソケット群1.9%であった。X線学的弛みは、FLソケット群1例、FL-Rソケット群2例で、いずれもソケット側に生じていたが、両群間で有意差は認めなかった。ステム側に弛みを生じた症例はなかった。FL-Rソケット群では、その差はわずかではあるが、FLソケット群と比べて使用したソケットの外径が大きく、また原臼により近く設置されていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014