肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
変性疾患 インピンジメント症候群 腱板断裂を含むインピンジメント症候群における烏口突起形成術
水掫 貴満
1
,
仲川 喜之
,
桜井 悟良
,
酒本 佳洋
,
二階堂 亮平
,
田中 康仁
1宇陀市立病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
関節鏡法
,
肩甲骨
,
靱帯損傷
,
回旋筋腱板
,
肩インピンジメント症候群
,
治療成績
,
烏口肩峰靱帯
,
肩腱板損傷
,
靱帯形成術
Keyword:
Rotator Cuff Injuries
,
Acromioclavicular Joint
,
Arthroscopy
,
Scapula
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Rotator Cuff
,
Shoulder Impingement Syndrome
pp.191-196
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097716
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インピンジメント症候群が腱板断裂の一因として関与しているということは確立した概念として捉えられており、腱板修復術の成績にも大きく関与している。インピンジメント症候群は一般に肩峰下インピンジメントを意味するが、腱板前上方部損傷に対する鏡視下腱板修復術(ARCR)の際に肩峰・鎖骨遠位端形成術(AP)のみを併用した症例において肩前面痛やインピンジメント徴候が残存するケースが散見される。その原因として著者らはインピンジメント現象に烏口突起も動的・静的に関与している(subcoracoid impingement syndrome)と考え、ARCRを施行するさいAPに加えて烏口突起形成術(CP)も併用している。今回、その妥当性について検証するため、腱板前上方部断裂例に対するARCRにAPのみ併用した群(25例)とAP+CPを併用した群(25例)とで治療成績を比較検討した。その結果、最終観察時のJOAスコアには有意な群間差は認められなかったが、最終観察時に肩前面痛が残存していた症例の割合はAP+CP併用群のほうが有意に低く、最終観察時における肩峰下インピンジメントテストでの陽性率もAP+CP群が有意に低かった。
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