発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2006184930
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作業療法を行った頭頸部の悪性腫瘍に対する根治的頸部郭清術(RND)による片側性副神経麻痺患者23例の内容と成績を報告した.作業療法のプログラムや強度は対象者の状態により選択,増減した.初回評価時に87%の症例に痛みを認めた.安静時痛は7例中4例で消失したが,初回評価時から痛みが軽かったことを除けば消失した明確な理由は不明であった.僧帽筋上部線維の完全麻痺にもかかわらず,肩関節自動屈曲・外転,他動屈曲・外転のすべての運動で有意にROMが増大した.痛みへの対処はまだ確立されていないが,肩関節運動障害は改善がみられた.全例でADLが自立し,家事が可能となった例や復職した例も多く,RND後の副神経麻痺に対するリハビリテーションにおける作業療法の役割は大きいと考えた
©Nankodo Co., Ltd., 2006