発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2006184911
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腕神経叢損傷17例の術中に,硬膜内に記録電極を挿入し脊髄誘発電位(ESCP)を導出する損傷高位診断を試みた.健側正中神経刺激における硬膜内ESCPの振幅は3.45±1.73μVで,体性感覚誘発電位(SEP)の1.09±0.54μVと比較して約3.2倍であり,より明瞭であった.腕神経叢展開時に神経根として形態を保っていた21根について電位測定を行ったところ,8根は硬膜内ESCP,SEPがともに導出可能,4根は硬膜内ESCPのみ導出可能,9根は両者とも導出不可能であった.硬膜内ESCP,SEPとも導出可能であった神経根ではESCPの振幅がSEPの約8.8倍と有意に大きかった.硬膜内電極挿入に伴う合併症は認めなかった.これらの結果から,硬膜内ESCP測定法の有用性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2006