Japanese
English
検査法
外傷性腕神経叢麻痺の術中電気診断―硬膜外脊髄誘発電位の有用性について
Intraoperative Diagnosis in Traumatic Bracial Plexus Palsy Using Evoked Spinal Cord Potentials
村瀬 剛
1
,
河井 秀夫
1
,
太田 市郎
1
,
正富 隆
1
,
島田 幸造
1
,
川端 秀彦
1
,
中西 啓文
1
,
小野 啓郎
1
,
森 隆比古
2
,
真下 節
2
Tsuyoshi Murase
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
2大阪大学医学部麻酔科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
腕神経叢麻痺
,
brachial plexus palsy
,
硬膜外脊髄誘発電位
,
evoked spinal cord potentials
,
体性感覚誘発電位
,
somatosensory evoked potentials
Keyword:
腕神経叢麻痺
,
brachial plexus palsy
,
硬膜外脊髄誘発電位
,
evoked spinal cord potentials
,
体性感覚誘発電位
,
somatosensory evoked potentials
pp.1237-1245
発行日 1992年11月25日
Published Date 1992/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900977
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抄録:外傷性腕神経叢麻痺手術例17例に対して,硬膜外脊髄誘発電位(ESCP)を用いた術中電気診断を行ったのでその結果を報告する.腕神経叢展開時に各脊髄神経や末梢神経を直接電気刺激し,術前透視下にC4/5高位に挿入した硬膜外電極からESCPを導出し,同時に導出したSEPと比較した.術中電気刺激した40脊髄神経のうちESCP,SEPとも導出できたのは21神経で,ESCPはSEPに比して5~10倍の高振幅で明瞭な波形を記録した.SEPが導出できず,ESCPが導出できた4神経についてはESCPの振幅は正常の脊髄神経電刺激に比べ著しく低下しており,神経の損傷を反映しているものと考えられた.一方,SEPが導出できて,ESCPが導出できなかった症例はなかった.ESCPは外傷性腕神経叢麻痺の術中診断として,節前損傷の有無の診断や末梢神経損傷の診断に極めて有用であった.
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