発行日 2003年10月24日
Published Date 2003/10/24
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2004069947
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靱帯性腱鞘(pulley)の再建において,遊離腱を利用しリング状のpulleyを作製する方法は強度と摩擦の面で優れているが,この方法では背側に遊離腱を通す操作が容易でないため,独自に腱誘導器を開発した.本誘導器は,Deschamps型動脈瘤針に類似したデザインであり,全長150mmで,先端に半円より20°深いループを有する.誘導器の軸とループの間は120°の角度がある.ループは幅6mm,厚さ1mmと扁平な形状であり,先端には遊離腱を通すための径4mmの孔を設けてある.これまで21例に使用し,腫瘍摘出時にpulleyを再建した症例の成績は極めて良好であった.一方,腱移植術と同時に再建した症例の成績は不良であり,これは,術後外固定を行った期間に再建pulleyと移植腱に癒着が生じたためと考えている
©Nankodo Co., Ltd., 2003