発行日 2003年4月25日
Published Date 2003/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2003250293
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軟部肉腫47例.1204個の遺伝子を抽出してその発現プロファイルに基づきクラスター分類を行った.そのうち骨膜肉腫(SS)13例は一つの大きなクラスターを形成しており,その中に悪性末梢神経鞘腫が含まれていた.これ以外はいくつかの群に分かれて存在し,独自のクラスターは形成していなかった.SS特異的発現亢進遺伝子としては26個の遺伝子が抽出された.次にSSを典型的な上皮構造を持つ4例(A群),上皮構造を全く示さず均一な組織像を呈している3例(B群),その他の6例(C群)に分け,1405個の遺伝子を用いてクラスター分類を試みた.その結果,SSは2群に分別され,A群4例は近接して位置し,B群のうち2例はこれと異なる分類であった.しかしB群の残り1例はA群と同一のクラスターに位置された.遺伝子発現プロファイルが病理組織像を決定するという前提が適応しない場合もある可能性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2003